■脳の神秘、「夢」という現象
夢を全く見た事がない、という人は少ないと思います。最近では、人間だけでなく「大脳」を持つ哺乳類の多くは、人間と同じように夢を見ている、という学説が一般的になってきています。それにしても「夢」とは人間の意識や行動の中でも非常に不可思議でそのメカニズムが判りにくいものです。多くの研究者が過去から現在に至るまで、様々な夢の研究を行っているのですが、決定的な学説はいまだ存在しない、と言っていいようです。一般的でわかりやすい説明としては「レム睡眠」と呼ばれる浅い眠りの状態のとき、睡眠中は本来ほぼ休んでいるはずの大脳が、起きているときと同じような波動を起こし、それに刺激されて知覚機能が働いたり、夢の内容に反応して寝言を言ったりするのだそうです。
ただし、ごく最近の研究では、眠りの深い「ノンレム睡眠」時にも、夢を見ることが確認されていて、現実に近いことや実際に体験したことに沿った夢は「ノンレム睡眠時」に、奇抜で荒唐無稽な夢は「レム睡眠時」に見ることが多いという研究結果もあります。
■夢は人間の「記憶機能」に働きかけている、という説。
起きた時に、見た夢のことを覚えている確率は約20%くらいなのだとか。実際には夢を見ているのに、全く覚えてないケースもありますし、見たことは感覚に残っているのに、内容が全く思い出せない、などの経験も、みなさんおありなのではないでしょうか。
実は「夢の役割については」、2つの全く相反する説があり、興味深いところです。
ひとつは「夢は記憶するために見る」というもの。起きているときに雪崩のように入ってくる大量の情報を、うまく引き出しの中に整理し、必要なものを記憶するために、記憶するときに見ているという説、もうひとつは、「夢は忘れるために見る」というもの。その膨大な情報からいらないものを削除するために、削除しているときに見る、というもの。いずれにしても、「記憶」の選択に、夢が影響を与えているということは共通して言えそうです。